幼児が遊具で楽しく遊ぶために必要なものとは?

幼児 遊具 幼児 遊具
※※ 当サイトでは、安全なアフィリエイト広告を利用しています。※※

変わりゆく遊具と幼児を取り巻く環境

【 子どもたちは遊具が大好き!】

親子で公園に行った時、幼稚園の外遊びの時、子どもたちが必ずと言って良いほど遊ぶのが”遊具”です。

滑り台やブランコ、ジャングルジムなど、お馴染みの遊具を子どもたちは繰り返し楽しみ、その遊びの中でルールや身体の使い方を学んでいます。

しかし、そんな公園の遊具も昔に比べ撤去される物が増えているのを知っているでしょうか?

なぜ昔は遊べた遊具が撤去されているのか、安全を求める日本の風潮と私が学生時代見てきたドイツの幼稚園での見守る主義を比較しながら考えていきたいと思います。

学びにつながる”遊具”を使った幼児の遊び

それではまず、公園や園庭にある遊具の持つ意味について考えてみます。

遊具を使って遊ぶ時に、まず大人が教えるのはそれぞれの遊具のルールです。幼稚園など集団で遊ぶ場所では、共通のルールをまず子どもたちに伝えます。

ブランコの交代の仕方、滑り台の上る方向、順番の待ち方など、子どもたちだけで遊んでいても事故が起きないようなルールが遊具ごとに決められています。

子どもたちはそのルールを守りながら遊ぶ事で、怪我や喧嘩なく楽しく遊べ、ルールを守る大切さを学んでいきます。

また、色々な遊具で遊ぶ事で、普段の生活では使わないような筋力を使ったり、バランスを取ったりと、遊びを通して身体能力の向上にも繋がっています。

出来なかった遊具が何度もやるうちに出来るようになって、達成感を感じる事も多くあると思います。

そんな子どもの遊びや発達に欠かせない遊具ですが、ではなぜ園庭や公園から撤去される物が増えているのでしょうか。

 知っていますか?!撤去がすすむ幼児遊具の存在

幼児 遊具

撤去される事が多い遊具は、やはり遊んでいて事故の報告が多いものだと言えます。

例えばブランコは、最近では特に園庭では見かけなくなってきました。たくさんの人数で一緒に遊ぶ事の多い園庭では、どうしてもブランコの前後を通ってぶつかってしまう事が多く、また子ども同士で押し合っても加減が難しく事故に繋がります。

そうなると教師が常にブランコについていないといけない為、園庭の遊具としては向かず、撤去となったりします。しかし、親子で遊びにくる公園では、小さい子どもには大人がしっかりついて遊んでいる事が多いので問題ないと言えます。

逆に公園で撤去される事が多いのは、回転ジャングルジムです。球の形をしたジャングルジムを外側にいる人が回して遊ぶ遊具ですが、これはやはり落下の事故が多く、撤去が多くなっています。

回し方によってはかなりスピードが出るので握る力が弱いと落ちてしまう事もあります。特に公園では、様々な年齢の子どもたちが一緒に遊んでいるので、乗っている子どもの中でも回す力、上る力の差がある上に、回す子どもにはそれを踏まえて全体の動きを見る力が求められます。

大人が一緒に上れる遊具ではないので、落下を防ぐのはなかなか難しく、また公園では危ない事をしている子どもがいても注意しづらいので、事故が防げず撤去が増えているのではないでしょうか。

つまり、どの遊具に関しても、側に見守る大人がいて、遊具を安全に遊べるルールが共有され、適切な年齢の子どもたちがそのルールを守って遊べる環境があれば、簡単に事故には繋がらないはずなのです。

それでは現代の日本の公園にそういった環境はあるのでしょうか。

幼児が遊具で安心して遊べる環境へ向けて

【見守る大人の減少と子どもの体力低下】

やはり昔と大きく変わってきているのは、見守る大人の減少ではないかと思います。

昔は家の近所に遊ぶ場所があったり、一緒に遊ぶ友達がいたりする事で、近くの大人たちが顔見知りとなり、危ない時には声をかけたりする様子も見られたでしょう。

しかし時代はどんどん核家族化が進み、近くに祖父母の住んでいない家族が増え、都会では遊ぶ場所が減り、見守る大人が少なくなってきました。

そうして、外で自由に遊ぶ子どもたちが減り、ご近所付き合いがない事も今では普通になってきました。

そんな人付き合いの希薄な世の中では、知らない人が子どもに声をかけるのは不審な行動となり、大人の方も善意の注意すらしづらい状況となっているのではないでしょうか。

その結果、大人が一緒の公園にいても子どもたちに危険を注意出来なかったり、他の親と話す機会がない事で、家庭ごとに遊具使用のルールが違ったりして、遊具を安全に遊べる環境が成り立っていないと言えます。

更に、そうして外で遊ぶ時間が減り、また昔に比べ便利な物が増えている現代の子供たちは、昔の子供たちと比べて身体能力が劣っているという小学生の体力テストの結果も出ています。

その身体能力の低下も、昔は問題なく遊べた遊具が撤去されている要因の一つなのかもしれません。

【ドイツの幼稚園で行われる”見守る保育”とは】

こうして少子化の日本では、子どもたちを危険から守るため、事故の多い遊具を撤去する方向へと動いている訳ですが、私が学生時代見てきたドイツの幼稚園では少し大人の意識が違ったのが印象的でした。

まず大前提として、日本は子どもが怪我をしないよう、喧嘩にならないよう、ルールを守って遊具を使う事が当たり前となっています。

これは日本人の”協調性”を育む教育の為で、もちろん悪い事ではありませんが、個々の個性や主張を大事にするドイツの教育では全く違う意識で遊具を使って遊ぶ様子が見られました。

そもそも日本の幼稚園では、室内遊びと外遊びはクラスごとに時間が決まっていて、例えば外に出たくなくても、時間になれば全員外遊びに出ます。

しかし、ドイツの幼稚園では”自由遊び”の時間は、室内でも園庭でも子どもそれぞれが好きな所で過ごします。その為、外の遊具で遊んでいる子どもに教師の目がしっかり届いているかと言えばそうとは言い切れません。

それでも、少し怪我をしたり、喧嘩をしたりする事は問題ないどころか推奨されています。

怪我から危険な事を学んだり、ルールを大人が先に決めるのではなく、友達同士でぶつかって喧嘩する中で楽しく遊べるルールを自分たちで決めたり、物や場所を自ら譲ったり、自分の意見を主張したりする経験を積む事で子どもたちの成長を促しているのです。

だからこそ、大きな怪我にならないように環境構成にはしっかり注意が払われていますが、子どもたちが問題を自分達で解決する事が多いので、大人が近くにずっと付いている必要がなく、遊びは基本子どもに任せた”見守る保育”が行われています。

日本とドイツ、それぞれにいい所があり、どちらが良いという物ではありません。

でも、見守る大人が少なくなっている今、子どもたち同士で安全に遊具を使える環境を作っていくドイツの方式もうまく取り入れていけると、公園などでも子どもたちが安心して遊べる環境が出来てくるのかもしれないですね。